投資詐欺に遭った場合の対処法

投資詐欺の被害に遭った、またはその疑いがある場合に検討できる、一般的な対応の選択肢を整理します。個別の状況における法的な判断は、弁護士等の専門家にご相談ください。

まず証拠を保全する

LINE等のメッセージのやり取り、通話の録音、振込明細、契約書面、勧誘時に見たウェブページの スクリーンショット等は、後の相談や手続きにおいて重要な資料になります。気づいた時点で できるだけ早く保存しておくことが推奨されます。

振込先の金融機関へ連絡する

銀行口座への振込で金銭を支払った場合、振込先の金融機関に事情を申し出ることで、いわゆる 振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律) に基づき、口座の取引停止等の措置が取られる場合があります。同法は投資詐欺を含む、振込を 利用した詐欺被害を対象としています。対象口座に残っている残高から被害者へ分配が行われる 仕組みのため、資金が引き出された後では回収が難しくなります。被害に気づいた時点でできるだけ 早く、振込先の金融機関および自身の取引金融機関、あわせて警察へ連絡することが重要です。 なお、必ず全額が返還されるとは限りません。

警察へ相談する

投資に関するトラブルでは、事案によって詐欺罪(刑法246条)のほか、無登録での金融商品取引業 (金融商品取引法違反)、出資法違反、無限連鎖講防止法違反等、複数の法令が検討の対象になり 得ます。どの法令に関係するか、そもそも法令違反に当たるかは個別の事実関係によって判断される ものであり、記事の記述だけで自己判断せず、警察や弁護士等に事実関係をそのまま伝えることが 重要です。また、詐欺罪の成立には相手方をだます意図があったこと等の立証が必要であり、投資で 損失が出たこと自体が直ちに詐欺に当たるわけではありません。警察でも民事上の争いとして扱われ、 被害届の受理に至らないことがありますが、その場合でも相談記録は残るため、相談自体には意味が あるとされています。被害額の大小にかかわらず、まずは最寄りの警察署の相談窓口(生活安全課等) や警察相談専用電話「#9110」に相談することが一般的な選択肢とされています。

金融庁「金融サービス利用者相談室」へ情報提供する

無登録で金融商品取引業を行っている疑いがある場合、金融庁の「金融サービス利用者相談室」に 情報提供することができます。同一の業者について複数の相談・情報提供が集まることで、行政に よる注意喚起や処分の検討につながる可能性があります。

消費生活センター・弁護士へ相談する

消費者ホットライン「188(いやや)」から最寄りの消費生活センターに相談できるほか、法テラス (日本司法支援センター)の民事法律扶助や、弁護士会の無料法律相談等を利用する方法もあります。 クレジットカードで支払った場合は、カード会社へ相談することで、契約内容によってはチャージ バック等の手続きが検討できる場合がありますが、必ず認められるとは限りません。

情報共有の場を利用する場合の注意点

同じ被害に遭った方を探すための集団訴訟プラットフォームやSNS等を利用するケースもあります。 被害者同士で情報や証拠を共有できる、弁護士が介入するきっかけになる等のメリットがある一方、 次の点に注意が必要です。第一に、投稿内容によっては名誉毀損や信用毀損等の問題が生じる おそれがあります。匿名の投稿であっても、発信者情報の開示手続きによって投稿者が特定される 場合があります。推測や感想ではなく、自身が確認できた事実関係を中心に、冷静な表現を 心がけてください。第二に、被害に遭った方に対して「必ず取り戻せる」「回収を代行する」等と 持ちかけ、手数料名目で追加の金銭を求める二次被害が、消費者庁や国民生活センターから繰り返し 注意喚起されています。被害回復に関する交渉や請求を報酬を得て代理できるのは、原則として 弁護士(または認定司法書士が扱える範囲)に限られます。運営主体や費用の仕組みが不明確な サービスの利用は慎重に検討してください。

専門資格保有者による勧誘だった場合

勧誘してきた人物がAFP・CFP等のファイナンシャル・プランナー資格を保有し、日本FP協会の会員である場合、同協会の懲戒規程に基づく申立てが選択肢の一つになることがあります。 申立てには申立人の実名・住所の記載と客観的な証拠の添付が必要とされており、匿名では 行えません。また、懲戒制度は資格や会員資格に関する協会内部の手続きであり、支払った金銭の 回復に直接つながるものではない点にも留意が必要です。資格の保有や協会所属は、特定の金融 商品を勧誘・販売する権限を意味するものではないため、まずは資格・所属の事実関係を確認した うえで、金銭の回復については別途、警察や弁護士等への相談を検討してください。

本記事は一般的な対応の選択肢を紹介する情報提供であり、個別の状況における法的な助言では ありません。詐欺罪や各種法令への該当性、具体的な手続きの進め方については、警察・弁護士・ 金融庁等の専門機関・専門家に直接ご相談ください。当社は投資助言・代理業者であり、法律事務を 取り扱う立場にはないため、個別の被害事案に関するご相談・法的なご判断・相手方との交渉に 関するお問い合わせにはお応えできません。あらかじめご了承ください。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資手法・銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。 投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断と責任で行ってください。

よくある質問

被害額が少額でも警察に相談すべきですか?
被害額の大小にかかわらず、相談履歴を残しておくことは有効な選択肢の一つとされています。同一の業者について複数の相談が集まることで、被害の全体像の把握や捜査機関・行政の対応につながる可能性があります。
SNS等で業者名を名指しして注意喚起してもよいですか?
事実に基づかない断定的な表現や感情的な投稿は、名誉毀損等のトラブルにつながるおそれがあります。注意喚起を行う場合は、確認できた事実関係を中心に、慎重な表現を心がけることが望ましいとされています。