減価償却の仕組み

建物や設備などの取得費用を、使用期間にわたって費用配分する会計処理が減価償却です。基本的な仕組みと財務諸表への影響を整理します。

減価償却とは

減価償却とは、建物・機械設備・車両などの固定資産の取得費用を、購入した年に一括で費用計上する のではなく、その資産を使用する期間(耐用年数)にわたって分割して費用計上する会計処理のことです。 資産の価値が使用とともに徐々に減少していくという考え方に基づいています。

減価償却費は現金の支出を伴わない

減価償却費は、損益計算書上は費用として計上されますが、実際にその期に現金が出ていくわけではない 点が特徴です(現金の支出は資産取得時に既に行われています)。そのため、利益とキャッシュフローの 差異を生む代表的な要因の一つとされています。

減価償却方法(定額法・定率法)

主な償却方法には、毎期一定額を費用計上する「定額法」と、資産の帳簿価額に一定率を乗じて償却費を 算定する「定率法」があります。定率法は初期の償却額が大きくなる傾向があるなど、方法によって 各期の費用計上額が異なります。

投資判断での確認ポイント

設備投資が多い業種では減価償却費も大きくなる傾向があり、業種間の収益力を単純な利益額だけで 比較すると実態と乖離する場合があります。減価償却費を加算したEBITDA(利払前・税引前・減価償却 前利益)等の指標が、設備投資規模の異なる企業間の比較で参考にされることがあります。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資手法・銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。 投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断と責任で行ってください。

よくある質問

減価償却費が多い企業はキャッシュフローが悪いということですか?
そうとは限りません。減価償却費は現金の支出を伴わない費用であるため、損益計算書上の利益を押し下げていても、実際のキャッシュフローには影響しません。設備投資が多い業種では減価償却費も相対的に大きくなる傾向があります。
EBITDAとは何ですか?
利払前・税引前・減価償却前利益のことで、営業利益等に減価償却費を加算して算出される指標です。設備投資の規模が異なる企業間で収益力を比較する際に参考にされることがあります。